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    学ぶ意志さえあれば、人間にはかならず勉学の機会が与えられるものです。すでにアルプス技術学院の学生である君たちは、強い勉学の意志をもった人たちであることが証明されています。おめでとう。君たちの前途は洋々です。

    世の中には多くの職業があります。君たちはたくさんの職業のなかから歯科技工士という極めて特殊な道を選択しました。目的や目標が不鮮明な場合、努力が徒労に終わることが多々あります。しかし、歯科技工という特殊な目的を選択したことで、君たちは今後、最後まで目的を見失わず実り豊かな道を歩み続けるでしょう。

    しかも君たちは、フィリピンで最高の技術水準と設備を誇るアルプス技術学院で学ぶことを選択しました。君たちには幸運の女神が微笑んでいることは間違いありません。おめでとう。もう一度祝福の言葉を伝えます。

    さあ、君たちはアルプス技術学院で学ぶことになりました。わが学院のモットーを注意深く理解してください。私は歯科技工士として、また歯科医師として長い年月を歯科医療に携わってきました。私の長年の経験にもとづいて、歯科技工術を学ぶ上で大切な実践的指針を話します。



実践的指針  

    まず第一に、歯科技工術というのは人体の一部器官を製作する技術だという重大な事実を認識してください。あなどってはいけません。軽く考えてはいけません。君たちは人体の一部をつくるのです。畏れをもって、しかし絶対的な自信をもってのぞみましょう。そのためには、完璧な技術を身につけなければなりません。

第二に、歯科技工の知識はかみしめながら吸収し、技術はゆっくり習得して行く必要があります。すべてを正確に憶えなければなりません。そのためには時間が必要なのです。

第三に、知識や技術が一定のレベルに達したら、義歯等の技工物を早くきれいに仕上げる努力を重ねましょう。だらだら練習するのでなく、期限を決めて前へ進んで行きます。技術の習得には反復練習が一番効果があります。他人の何倍も反復練習しましょう。

     第四に、世の中で成功している人を注意深く観察しましょう。私の見るところ、社会で成功している人はみな共通点を3つ持っています

MAKOTO O. KOBAYASHI, D.M.D., CDT & MARJORIE G. KOBAYASHI, D.M.D

a) 地道な努力を続けている

b) 集中力がある

c) 様々なことに興味を持ち見識が広く深い

 

    多くの成功者はみなこれらを兼ねそなえている人が多いようです。  「継続は力なり」のことわざがあります。何かを継続する努力は苦しいものですが、その苦しさから逃がれては成功は手にできません。いったん自分で決めたことは、結果が出るまで、集中力を発揮してやり抜くことです。まずは、この決意の強さが大切です。

    第五に、いろいろな友人をたくさんつくりましょう。自分の背中は自分で見られません。自分の欠点を知り、弱点を知るために、多くのよき友人とつき合い、客観的に自分を見つめる契機をもちましょう。人間的な交流を深め、親友と悩みを分かち合うのもすばらしいことです。自分も友人もともに成長し合えれば最高です。

     第六に、先輩や先生の話に素直に耳を傾けることも大切です。年長者の思慮深さを知ることは自分を大きく成長させるカギです。あらゆる本を読むこともこれに通じます。善悪の判断力を養い、新しい自分の発見に努めましょう。

    こうして人間としての総合的な成長を促すことが、実は、歯科技工士としての力量や技術の土台を培うのです。豊かな人間性や、人間としての鋭い感性がなければ高度で精緻な技術を身につけることはできません。

    このような努力を重ねてゆけば、君は生涯、生活の糧に不自由することはなくなります。すばらしいことではありませんか。天職をしっかりと手に収めることがどれほど大切か、あらためて自覚してください。一年間は長いようで短いものです。時間を無駄にせず、頑張りましょう。

 

Laboratory

根本的指針

 

I. 学院のモットー

  1. ゆっくり学び、正確に憶え、迅速(きれいに)仕上げる
  2. 苦あれば楽あり、苦は楽の種、種をまく努力は必ず実る
 

II. 学院の特色

  1. 総合的な歯科技工術、知識が習得できる
  2. 歯牙解剖の描写から全顎歯列の彫刻まで徹底的に訓練する
  3. 最新、最高の機器を駆使し反復実習する
  4. フィリピンのパイオニアとして公認されているトレーニング・センター ( 卒後研修)が併設されている
  5. 外国の有名な専門家によるセミナーが開催される
 

III. 学院の教育指針

  1. 自主、自営を目指す
  2. 歯科技工界のリーダーを目指す
  3. 機能的創造力と審美的センスの養成を目指す
  4. 正確さ、緻密性、迅速さの能力向上を目指す
  5. 妥協なしの反復実習、あくなき技能向上を目指す

 

根本的予備知識

 

I. 歯科技工士とは

     歯科診療所内の技工室または技工所において、歯科医師の指示に基づいて補綴術や充填物、矯正装置などの歯科治療用装置を模型の上で製作、修理、または加工する役割を持つ者。

II. 歯科技工士と歯科医師の関係

    むかしは歯科医師が歯科技工士の仕事も行っていた。しかし社会の変化とともに、歯科医療も分業化時代となり、患者に直接触れる口腔内の医療行為と模型上で歯科技工物を製作する技工作業が分離するようになった。

III. 歯科技工士の必要条件

  1. 歯科医師との密接なコミュニケーションをはかる。
  2. 技工物を正しく製作するための金属、陶材、レジン等材料に関する十分な理解を深め、機器を合理的に操作する技能を身につける。
  3. 患者一人一人の歯の型態、歯列の状態、咬合関係は異なっている。そのため個々の症例や患者に最も適した歯科修復物を製作する必要がある。歯科技工士は患者や症例の個別性に対応できる技術的、技能的熟練度を高める義務がある。
  4. 反復練習により基本的な技術が確実に身についている。さらに臨床の応用訓練により実践的技能が高められている。

IV. 歯科技工士の倫理

  1. 歯科技工士は専門的技術職(専門職)と呼ばれる 。
  2. 一定の期間専門的な職業教育を受け、業務を行うための基礎知識と 技術を学んでいる。
  3. 人の健康と福祉に欠かせない業務に携わる。
  4. 歯科技工を通じて社会に貢献する心構えをもち、良心的にその仕事 に従事する。
  5. 歯科技工を将来的に有望な職業とするため、歯科技工士自らこの職 業に愛情をもち、つねに歯科技工の知識と技術の向上を目指す。
  6. 専門職として自らの行為とその結果に責任を負う。
   
海外の歯科技工士養成制度と現状  

A.  ドイツ

    歯科技工士を希望する者は、業務教育終了後、まず歯科技工所に業務訓練生として就職する。その後 、 週一日だけ技工学校に通学し、残りの四日間は技工所に勤務し実地訓練を受ける。三年間の教育期間終了後、試験に合格した者は歯科技工士の資格が与えられる。しかし、歯科技工所の開業には歯科技工マイスターの資格を必要とする。マイスターの資格は、歯科技工所でさらに3 - 5年間臨未経験を積んでマイスター学校の入学資格を取る。教育期間は一年間の全日制。マイスターの資格を得ることで、歯科技工所の開設者および管理者となる権利が得られる。さらに後進の教育に携わることも許される。マイスターの資格のない技工士は、歯科医院や歯科技工所の勤務者として歯科技工に従事するのみである。ドイツでは、他の職種を含め、技能職は全て同様の仕組みになっている。

B. アメリカ合衆国

    州により多少の違いはあるが、歯科技工所の勤務者は無資格でもよい場合が多い。しかし歯科技工所を開設するには技工士協会が認定する CDT という資格が必要となる州が多い。この資格を得るには高等学校卒業後、歯科医師会公認の歯科技工士学校に入学する必要がある。就学年限は2年。卒業後、3年以上の臨床経験を積み、技工士協会が実施する認定試験を受け、合格しなければならない。

C. 日本

    高等学校卒業後、昼間2年、夜間3年の技工士学校へ入学する。卒業後、国家試験に合格した者が技工士の資格を得る。技工士の資格を持った者だけが技工物の製作が認められ、無資格者が製作に加われば処罰される。また資格を持った者だけが技工所の開設者となり管理者となれる。最近、「歯科技工法」が「歯科技工士法」に改正された。つまり歯科技工の業務規定のなかで定められていた技工士の処遇が、独立した歯科技工士の身分法に改正された。

D. フィリピン

歯科技工学科は大学付属として数校ある。しかし歯科技工学校とし て公認された学校は当アルプス技術学院一校である。入学資格はい ずれも高等学校卒業。フィリピンにおいては国家試験制度はなく歯科技工士証書の発給のみである。多くの技工士と称される者は経験だけで臨床訓練され、技工物製作に携っている。当学院のカリキュラムの充実を経て、将来的には2年制、4年制大学へと進み、国家試験による資格制度へと進むことが望まれている。すなわちサーティフィケイトからデプロマのレベルへ改革されることが望まれている。もちろん、歯科技工法の制度認定も目標にされている。

 








 

 

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